ftサーバでは、CPUモジュールの二重化処理が行われるとき、両方のCPUモジュール上のメモリを二重化するためにメモリコピー処理が行われます。
メモリコピー処理は、途中までCPUの処理を継続して(OSを稼働させた状態で)実行されますが、コピー中に稼働しているプライマリ側のCPUモジュールで変更のあったメモリ領域に関しては、CPUの処理を止めて、メモリの更新が行われない状態で、コピー処理を実施します。
CPUを止めている間はOSの処理が止まるため、その間にネットワーク接続がタイムアウトすることを防止する目的で、TCPレベルでの送信タイムアウト値などを変更しています。
特にHyper-Vを使用している環境では、Hyper-Vを使用していない環境に比べて、CPUの処理を止めてメモリコピーを行う時間が長くなります。
以下はftサーバの各モデルにおいて Hyper-V を有効化している場合のメモリコピー時間の最大値の目安です。
Express5800/R320g、R320h
  
  
    
      | モデル/メモリサイズ | 
      16GB | 
      32GB | 
      64GB | 
      128GB | 
      256GB | 
      320GB | 
      512GB | 
      640GB | 
    
  
  
    
      Express5800/R320g-E4 Express5800/R320h-E4
       | 3秒
       | 4秒
       | 7秒
       | 13秒
       | 25秒
       | 30秒
       | -
       | -
     | 
    
      Express5800/R320g-M4 Express5800/R320h-M4
       | 3秒
       | 4秒
       | 5秒
       | 9秒
       | 16秒
       | 17秒
       | 25秒
       | 31秒
     | 
  
   
Express5800/R320e、R320f
  
  
    
      | モデル/メモリサイズ | 
      8GB | 
      16GB | 
      32GB | 
      64GB | 
      128GB | 
      256GB | 
      512GB | 
    
  
  
    
      Express5800/R320e-E4 Express5800/R320f-E4
       | 2秒
       | 3秒
       | 5秒
       | 8秒
       | 16秒
       | 30秒
       | -
     | 
    
      Express5800/R320e-M4 Express5800/R320f-M4
       | 2秒
       | 3秒
       | 3秒
       | 7秒
       | 10秒
       | 18秒
       | 27秒
     | 
  
   
Express5800/R320c、R320d
  
  
    
      | モデル/メモリサイズ | 
      8GB | 
      16GB | 
      64GB | 
      128GB | 
      256GB | 
    
  
  
    
      | Express5800/R320c-E4
       | 2秒
       | 3秒
       | 10秒
       | 18秒
       | 36秒
     | 
    
      Express5800/R320c-M4 Express5800/R320d-M4
       | 2秒
       | 3秒
       | 8秒
       | 14秒
       | 27秒
     | 
  
   
Express5800/R320a、R320b
  
  
    
      | モデル/メモリサイズ | 
      4GB | 
      12GB | 
      24GB | 
      48GB | 
      96GB | 
    
  
  
    
      | Express5800/R320a-E4
       | 9秒
       | 29秒
       | 57秒
       | 113秒
       | -
     | 
    
      | Express5800/R320b-M4
       | 4秒
       | 8秒
       | 15秒
       | 29秒
       | 57秒
     | 
  
   
以下は上記の参考値を考慮して(CPUを止めた時にネットワーク接続がタイムアウトすることを防止するため)ftサーバ本体で追加しているTCP関連レジストリです。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\Tcpip\Parameters
 値  :TcpMaxConnectRetransmissions
 タイプ:REG_DWORD
 設定値:5
 値  :TcpMaxDataRetransmissions
 タイプ:REG_DWORD
 設定値:8
 値  :TcpMaxConnectResponseRetransmissions
 タイプ:REG_DWORD
 設定値:5
  
クライアント側についても、上記のftサーバにおけるメモリコピー時間を考慮する必要があります。
なお、クライアント機器の環境および、ネットワーク環境によっては、上記と同等またはそれ以上のレジストリ値を設定する必要がある場合もあります。