ディスクの再同期中は、I/O負荷の多い処理に対して影響を与える場合があります。
ディスクの再同期(ディスクの二重化処理)中には、再同期対象のディスクの I/O 処理が増加します。Windows OS や業務アプリケーションなどから、再同期中のディスク内のファイルへ頻繁に I/O 処理を実施している場合には、OS や アプリケーションの応答が遅延するなどの影響が出る場合があります。
業務への影響が生じる場合には、再同期処理の優先度を変更して単位時間あたりの同期データ量を変更することにより、相対的にシステムの I/O 負荷に対する影響を軽減することが可能です。
再同期処理の優先度(Resync Priority)は、Low、Normal、High、の3段階で設定可能で、初期設定値は Normal です。
優先度の変更は再同期処理中でも可能であり、即座に反映されます。
もし初期値の Normal 設定状態で、ディスクの再同期によりシステムの I/O 負荷に影響が出る場合には、優先度を Low に変更して負荷が軽減されるかご確認ください。
優先度の変更は RDR Utility から行います。
<優先度の設定変更手順>
- RDR Utility を起動します。(例:[スタート]メニュー -[すべてのプログラム]-[RDR]-[RDR Utility]をクリックします。) 
 
- 左フレームの[RDR Virtual Disk x] で右クリックし、[Set Resync Priority]をクリックします。 
 
- ダイアログボックスから優先度(初期値はNormal)を選択し、[OK]をクリックします。 
 
- [Set Resync Priority]ダイアログボックスで[OK]をクリックします。 
 
 
※RDR Utility の操作方法については、マニュアルの「RDR(Rapid Disk Resync)によるディスク操作」の章をご覧ください。
   
  
ディスクの再同期にかかる時間は、差分コピーとなるか、全領域のコピーとなるかで異なります。
保守交換のためのディスク取り外し時間が 30分を越えた場合(R320g 以降では 60分を超えた場合)、および、ディスク自体の交換時にはパーティションが作成されている全領域のコピーとなります。
差分コピーの場合には、RDR機能にて管理されている情報をもとに、ディスク間での差分情報部分のみコピーされるため、再同期に要する時間は差分情報の量により変わります。
全領域のコピーの場合には、ディスクの容量や ftサーバ機種毎に、再同期時間が異なります。
システムの使用状況や負荷状況によっても変動しますので、以下の情報を目安としてお考えください。
ソリッドステートドライブ (SSD) について
  
R320e より SSD をサポートしていますが、SSD でも単位容量あたりの再同期にかかる時間は ハードディスクドライブ(HDD) と同じにしています。
  
ディスクの再同期(全領域のコピー)にかかる時間の目安
Express5800/ 320Fc / 320Fd の場合
  
  
    
      | HDD容量 | 
      再同期所要時間 | 
    
    
      | Low | 
      Normal | 
      High | 
    
  
  
    
      | 10GBあたり | 
      24.6分 | 
      10.9分 | 
      5.5分 | 
    
    
      | 例:73.2GB | 
      180分 | 
      80分 | 
      40分 | 
    
  
   
Express5800/ R320a / R320b の場合
  
  
    
      | HDD容量 | 
      再同期所要時間 | 
    
    
      | Low | 
      Normal | 
      High | 
    
  
  
    
      | 10GBあたり | 
      32.1分 | 
      12.3分 | 
      4.9分 | 
    
    
      | 例: 73.2GB | 
      235分 | 
      90分 | 
      36分 | 
    
  
   
Express5800/ R320c / R320d の場合
ft制御ソフトウェアのバージョンが 8.x の場合
  
  
    
      | HDD容量 | 
      再同期所要時間 | 
    
    
      | Low | 
      Normal | 
      High | 
    
  
  
    
      | 10GBあたり | 
      37.5分 | 
      10.2分 | 
      1.4分 | 
    
    
      | 例: 146.5GB | 
      550分 | 
      150分 | 
      20分 | 
    
  
<留意事項>
ft制御ソフトウェアのバージョンが 8.1.2148 の場合、ディスク再同期処理の優先度の設定値(Low/Normal/High)に関わらず、常に優先度が High と設定された条件と同等の処理となります。
そのため、優先度による設定変更が必要な場合には、最新のft制御ソフトウェアへのアップデートをお願いします。
 
   
ft制御ソフトウェアのバージョンが 9.x の場合
  
  
    
      | HDD容量 | 
      再同期所要時間 | 
    
    
      | Low | 
      Normal | 
      High | 
    
  
  
    
      | 10GBあたり | 
      10.9分 | 
      6.8分 | 
      1.4分 | 
    
    
      | 例: 146.5GB | 
      160分 | 
      100分 | 
      20分 | 
    
  
   
Express5800/ R320e / R320f / R320g / R320h の場合
  
  
    
      | HDD容量 | 
      再同期所要時間 | 
    
    
      | Low | 
      Normal | 
      High | 
    
  
  
    
      | 10GBあたり | 
      17.3分 | 
      5.3分 | 
      1.3分 | 
    
    
      | 例: 300GB | 
      520分 | 
      160分 | 
      40分 |