Linuxサービスセットでサポートしているオプションデバイス/オンボードデバイス全般のドライバに関するQ&A集です。
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目次
outbox ドライバを適用した環境でシステム起動時に出力されるメッセージ
Starter Pack に収録されている outbox ドライバなどを適用した場合、システム起動時に以下のメッセージが出力されることがあります。


 
loading out-of-tree module taints kernel メッセージについて
outbox ドライバがロードされたことを示しています。動作上の問題はないため、無視してください。
出力メッセージ
xxxxxx: loading out-of-tree module taints kernel.
※ "xxxxxx" にはドライバ名が出力されます。
Request for unknown module key メッセージについて
署名付きドライバモジュールがロードされたときに出力されることがあります。動作上の問題はないため、無視してください。
出力メッセージ
Request for unknown module key 'xxxxxx' err -11
※ "xxxxxx" には文字列が出力されます。
module verification failed: signature and/or required key missing - tainting kernel メッセージについて
ロードされたドライバモジュールの認証ができなかったときに出力されることがあります。動作上の問題はないため、無視してください。
出力メッセージ
xxxxxx: module verification failed: signature and/or required key missing - tainting kernel
※ "xxxxxx" にはドライバ名が出力されます。
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outbox ドライバがエラータカーネルに引き継がれない
outbox ドライバを適用した環境でエラータカーネルにアップデートした場合、outbox ドライバがエラータカーネルに引き継がれず、inbox ドライバが使用されることがあります。
 
対象パッケージ
以下バージョンの kmod パッケージがインストールされている環境が対象です。
kmod-20-15.el7_4.6
対処方法
本事象は、kmod-20-21.el7 で修正されています。対象の kmod パッケージを使用している場合は、エラータカーネル適用前に kmod-20-21.el7 以降へアップデートしてください。
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ドライバパッケージのアンインストール手順
Starter Pack の適用によりインストールされた outbox ドライバをアンインストールするときは、下記の手順でアンインストールしてください。


 
アンインストール手順
以下の手順にしたがい、ドライバパッケージをアンインストールしてください。手順の"#"は、root ユーザで実行するコマンドを示しています。
	- アンインストールするドライバパッケージ名の確認
 アンインストールするoutboxドライバに対応するドライバパッケージ名を確認してください。
			
				
					| ドライバ名 | ドライバパッケージ名 |  
					| smartpqi | kmod-smartpqi |  
					| megaraid_sas | kmod-megaraid_sas |  
					| lpfc | kmod-elx-lpfc |  
					| qla2xxx | kmod-qlgc-qla2xxx |  
					| tg3 | kmod-tg3 |  
					| igb | kmod-hp-igb |  
					| bnx2x | kmod-netxtreme2 |  
					| ixgbe | kmod-hp-ixgbe |  
					| i40e | kmod-hp-i40e |  
					| qede | kmod-qlgc-fastlinq |  
					| ice | kmod-ice |  
					| bnxt_en | kmod-bnxt_en |  
 
- ドライバパッケージのインストール状況の確認
 アンインストールするドライバパッケージが実際にインストールされているか、確認してください。
 一例として、Starter Packバージョン S8.10-006.04 に収録の RHEL7.6 用の lpfc ドライバがインストールされている場合は、以下のように表示されます。ファイル名の rhelXuY は、そのパッケージがサポートしている OS バージョン (RHELX.Y) を示しています。
			# rpm -q kmod-elx-lpfc
 kmod-elx-lpfc-12.0.346.15-1.rhel7u6.x86_64
 指定したドライバパッケージがインストールされていない場合は、以下のように表示されます。 
			# rpm -q kmod-elx-lpfc
 (日本語環境) パッケージ kmod-elx-lpfc はインストールされていません。
 (英語環境) package kmod-elx-lpfc is not installed
 
- ドライバパッケージのアンインストール
 2. で確認したパッケージをアンインストールしてください。# rpm -e kmod-elx-lpfc 
- 
		システムの再起動
 # reboot
 
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エラータカーネル環境で Starter Pack を適用するときの注意事項
エラータカーネル環境で Starter Pack を適用すると、デプロイエラーが発生し、Starter Pack の適用に失敗することがあります。


 
対象環境
OS バージョンにより条件が異なるため、ご使用の OS バージョンをご確認のうえ、参照してください。
RHEL7.8 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 3.10.0-1127.8.2.el7 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL7.7 でインストールし、RHEL7.8 エラータカーネル (3.10.0-1127.8.2.el7) を適用した環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 tg3, igb, bnx2x, ixgbe, i40e, qede, bnxt_en
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
RHEL7.9 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 3.10.0-1160.36.2.el7 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL7.7 でインストールし、RHEL7.9 エラータカーネル (3.10.0-1160.36.2.el7) を適用した環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 igb, bnx2x, ixgbe, i40e, qede, bnxt_en, lpfc, qla2xxx
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
RHEL8.3 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 4.18.0-240.15.1.el8_3 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL8.1 でインストールし、RHEL8.3 エラータカーネル (4.18.0-240.15.1.el8_3) を適用した環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 i40e, ice (バージョン 1.6.4 以降)
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
RHEL8.6 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 4.18.0-372.16.1.el8_6 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL8.4 でインストールし、RHEL8.6 エラータカーネル (4.18.0-372.16.1.el8_6) を適用した環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 ice, bnxt_en
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
- Starter Pack Version S8.10-010.08 を適用する
 (S8.10-010.05 / S8.10-010.06 / S8.10-010.07 を適用する場合は対象外)
RHEL9.1 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 5.14.0-162.22.2.el9_1 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL9.1 でインストールし、5.14.0-162.22.2.el9_1 未満のカーネルをすべてアンインストールした環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 lpfc, qla2xxx
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
RHEL9.2 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 5.14.0-284.30.1.el9_2 で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL9.1 でインストールし、RHEL9.2 エラータカーネル (5.14.0-284.30.1.el9_2) を適用した環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 lpfc
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
RHEL9.3 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 5.14.0-362.13.1.el9_3 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL9.1 でインストールし、RHEL9.3 エラータカーネル (5.14.0-362.13.1.el9_3) を適用した環境
- 以下のいずれかのドライバが動作している
 smartpqi, megaraid_sas, tg3, bnxt_en, igb, ice, lpfc, qla2xxx
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
RHEL9.4 の場合
以下の条件をすべて満たす環境が対象です。
	- エラータカーネル 5.14.0-427.22.1.el9_4 以降で動作している
- GA カーネルや上記より古いバージョンのエラータカーネルがインストールされていない
 (具体例)
 RHEL9.1 でインストールし、RHEL9.4 エラータカーネル (5.14.0-427.22.1.el9_4) を適用した環境
- 以下のドライバが動作している
 ice
- 上記のドライバについて、エラータカーネルに対応したドライバがインストールされていない
回避手順
対象環境に該当する場合は、Starter Pack を適用する前にエラータカーネルに対応したドライバを適用してください。エラータカーネルに対応したドライバの入手方法および適用方法は「Linux ドライバ情報一覧」を参照してください。
類似事象について
RHEL8.2 と qede ドライバもしくは bnxt_en ドライバの組み合わせにおいても類似事象が発生することがあります。詳細は「こちら」を参照してください。
更新履歴
	- 
		2025年9月19日
		[対象環境] に RHEL9.3 と RHEL9.4 を追加
	
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ドライババージョンが設定されていない inbox ドライバについて
RHEL9.1 / RHEL8.4 以降の一部の inbox ドライバで、ドライババージョンが設定されていないドライバが存在します。

 
ドライババージョンの表示について
該当するドライバでは、カーネルバージョンがドライババージョンとして表示されます。以下に例示する tg3 ドライバのように、確認方法により表示が異なる場合もあります。
modinfo コマンド
	- tg3ドライバの場合
 # modinfo -F version tg3
 3.137
- igbドライバの場合
 # modinfo -F version igb
 4.18.0-305.19.1.el8_4.x86_64
sysfs の version ファイル
	- tg3 ドライバの場合
 # cat /sys/module/tg3/version
 3.137
- igb ドライバの場合
 # cat /sys/module/igb/version
 4.18.0-305.19.1.el8_4.x86_64
ethtool コマンド
	- tg3 ドライバの場合
 # ethtool -i eno1
 driver: tg3
 version: 4.18.0-305.19.1.el8_4.x86_64
- igbドライバの場合
 # ethtool -i eno1
 driver: igb
 version: 4.18.0-305.19.1.el8_4.x86_64
注意事項
	- tg3 ドライバ、igb ドライバ以外にも同様に表示されるドライバがあります。
- RHEL9 では、modinfo -F version コマンドでは何も表示されません。また sysfs の version ファイルも存在しません。
- 表示方法は今後リリースされるカーネルで変更される可能性があります。
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RHEL8.7 エラータカーネル環境で Starter Pack を適用するときの注意事項
RHEL8.7 エラータカーネル環境で Starter Pack を適用すると、OS 起動中にストールしたり、OS 起動後にカーネルパニックが発生することがあります。
 
対象カーネルバージョン
4.18.0-425.10.1.el8_7 ~ 4.18.0-425.19.2.el8_7
対象ドライバ
Starter Pack Version S8.10-010.08
bnx2x, qede, lpfc, qla2xxx
Starter Pack Version S8.10-010.09
igb, tg3, bnx2x, ixgbe, i40e, qede, ice, bnxt_en, lpfc, qla2xxx
Starter Pack Version S8.10-011.02 / S8.10-011.03
lpfc, qla2xxx
Starter Pack Version S8.10-011.04
igb, tg3, ice, bnxt_en, lpfc, qla2xxx
回避方法
Starter Pack (Standard Program Package) を適用する前にRHEL8.7 エラータカーネルに対応したドライバを適用してください。エラータカーネルに対応したドライバの入手方法および適用方法は、「Linux ドライバ情報一覧」を参照してください。
注意事項
RHEL8.7 のサポート対象カーネルは 4.18.0-425.10.1.el8_7 ~ 4.18.0-425.19.2.el8_7 です。4.18.0-425.3.1.el8 を使用されている場合は、NEC サポートポータルに掲載の手順を参照して、サポート対象カーネルへアップデートしてからエラータカーネルに対応したドライバを適用してください。
 [RHEL8]カーネルアップデート対応状況(x86_64)
[RHEL8]カーネルアップデート対応状況(x86_64)
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関連情報
本事象に関する詳細情報は、Red Hat カスタマーポータルのナレッジベースを参照してください。
 https://access.redhat.com/solutions/6985596
https://access.redhat.com/solutions/6985596
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ドライババージョンの確認方法

 
modinfo コマンドを使用する
# modinfo -F version [ドライバ名]
	- megaraid_sasドライバでの確認例
 # modinfo -F version megaraid_sas
 07.726.03.00
sysfs の version ファイルを参照する
# cat /sys/module/[ドライバ名]/version
	- megaraid_sasドライバでの確認例
 # cat /sys/module/megaraid_sas/version
 07.726.03.00
※ modinfo コマンドと sysfs の version ファイルで異なるバージョンが表示される場合は、ドライバが正しく適用されていないため、ドライバを再インストールしてください。
ethtool コマンドを使用する
# ethtool -i [インターフェース名]
	- tg3 ドライバでの確認例
 # ethtool -i eno1
 driver: tg3
 version: 3.139k
※ ethtool コマンドで確認できるのは、LAN コントローラのドライバのみです。
補足
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